
2019/11/5
日本・世界の植物園訪問記(10)
キューガーデン
イギリス ロンドン
※本記事の内容は2009年に作成し、2019年に一部改訂したものです。
最新の情報は各植物園の公式ホームページ等をご確認ください。
Royal Botanic Gardens, Kew(通称キューガーデン)は、ロンドンの南西部、リッチモンド・アポン・テムズ・ロンドン特別区に属する地区キューにある330エーカー(132ha)ほどの広さを誇る王立植物園です。
1600年代半ばにテュークスベリーのカペル卿が熱帯植物を集めてキュー公園としたことに始まり、1759年、ジョージ3世(1738-1820,在位1760-1801)の母、オーガスタ妃(1719-72)によって拡張されました。その後50年の間にウィリアム・チェンバーズ卿の設計による建築物が幾つか建てられ、1762年完成の中国パゴダは今日でも園内で見ることができます。
ジョージ3世は臣下の助力により庭園の植物を増やしたり、隣接する煉瓦造りの館を買い上げて離宮としました。この建物はキュー・パレス(宮殿)として現存しています。
旧キュー公園は1802年に一旦廃止されましたが、1840年に国立植物園に改組され、ウィリアム・ジャクソン・フッカーの指揮下で拡張が行われ、さらに後の改修で現在の広大な植物園が完成しました。
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- 園内のベンチには背もたれに寄贈者のメッセージプレートがあり、多くはキュー・ガーデンを愛した故人に捧げられている
園内のベンチの背もたれには寄贈者のメッセージプレートがあり、多くはキューガーデンを愛した故人に捧げられている
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- 南アフリカの国花キングプロテアは
直径が30㎝にもなる花を咲かせる
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- オーストラリア原産のスイレンは
芍薬の花のような趣をもつ
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- 樹齢160年以上のイタリアカサマツ
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- 花盛りのインドトチノキ
(円内は花の拡大写真)
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- 門扉につけられた英国王室の紋章
園内には日英博覧会(1910年開催)の展示物だった京都西本願寺唐門(勅使門)を模したジャパニーズゲートウェイ、日本庭園、1900年頃に建てられた岡崎市郊外の民家を移築したミンカハウス、盆栽の展示があるボンサイハウスなど、日本ゆかりのものもいくつかあります。
世界文化遺産「キューガーデン」
20世紀以降は学術的研究に重点を置き、絶滅危惧種や生息環境の保全活動を行っています。700万以上の植物標本や種子などが保存されており、世界で最も包括的に収集を行っている植物園です。
園内には既知の植物種の約1/10にあたる、およそ3万種が植えられています。2003年7月にはユネスコ世界文化遺産の指定を受けました。
DATA
交通 | ロンドン中心部から 地下鉄:District Line(Richmond行き)Kew Gardens駅まで約30分 鉄道:London Overground line(Richmond行き)Kew Gardens駅まで約35分 地下鉄Kew Gardens駅から徒歩6分 |
開園時間 | 開園:午前10時 閉園:午後3時半~6時(季節・曜日により変動) 入園は閉園の1時間前まで |
休園日 | 12月24日・25日 |
入園料 | 大人(17歳以上)………18£ 子供(4歳~16歳)………6£ 3歳以下……………………無料 60歳以上…………………16£ 学生・家族割引、オンライン購入割引などあり |
(1£≒140円) 2019年現在