2019/3/1

ハーブティー(9)

~花粉対策のために~

多くの人にとって春の訪れとともにやってくる憂うつな季節、飛散する花粉対策のハーブティーをご紹介します。

ハーブティーは飲用した有効成分の効果だけではなく、カップから立ちのぼる蒸気の作用も期待できます。鼻の粘膜を温めることで不快な症状を緩和させる効果と、粘膜から吸収された香気成分による効果です。せっかくの効果を効率的に取り込むためにも、ハーブティーを飲むときはゆっくりと香りも楽しみましょう。症状が出る前から飲み始めるとさらに効果的です。



花粉対策ブレンド

Blend Recipe (1人分)

エルダーフラワー 2つまみ
アイブライト 1つまみ
ネトル 1つまみ

ハーブティーのいれかた

1. あらかじめ熱湯で温めておいたポットにハーブを入れ、1人分につき1カップの熱湯を注ぎます。
2. ハーブの揮発成分を逃さないためにすぐふたをして、3~5 分間置きます。時間の目安は、柔らかい花や葉のみの場合は3分ほど、堅い実や根などを含む場合は、5分くらいです。
3. 茶こしでこしてカップに注ぎます。

蒸気浴

ハーブティーの香りを楽しむことも蒸気浴の方法のひとつですが、天然のユーカリの精油を使ったアロマテラピーも花粉症に有用です。
磁器かガラス製のボウルに熱湯を半分ぐらいまで入れ、精油を2滴加えます。ボウルの上に顔が来るようにして、蒸気をゆっくりと吸い込むように深呼吸をします。ボウルの代わりにマグカップを使用すると、より手軽に行えます。
精油は身体と精神だけでなく、周囲の環境にも影響を与えます。体内に吸収された成分が粘膜の炎症を鎮め、脳に届いた香りの情報が精神を安定させる他、空間に揮散した成分が抗菌性を示したりします。
蒸気浴の他にも、枕や外出の際のマスクにユーカリの精油を1,2滴垂らしてもよいでしょう。精油を直接付けることが気になる場合は、ティッシュに垂らして挟むなどします。

ハーブの特徴

エルダーフラワー Elder flower

別名;ボーンツリー
基原;Sambucus nigra セイヨウニワトコ(スイカズラ科)
用部;花
成分;ルチン,ケルセチン,イソケルセチンなどのフラボノイド、クロロゲン酸、アミリン,オレアノール酸,ウルソール酸などのトリテルペノイド、ペクチン、タンニン、精油など
作用;発汗、保湿、抗アレルギー、緩和など
適応;カゼ・インフルエンザの初期症状、鼻炎、花粉症、冷え性など

アイブライト Eyebright

基原;Euphrasia officinalis コゴメグサ(ゴマノハグサ科)
用部;地上部
成分;アウクビンなどの配糖体、タンニン、樹脂、揮発性油など
作用;抗カタル、収れん、消炎など
適応;鼻炎、副鼻腔炎、目の炎症、涙目など

ネトル Nettle

基原;Urtica dioica セイヨウイラクサ(イラクサ科)
用部;葉・地上部、根・根茎
成分;ギ酸、ヒスタミン、アセチルコリン、クロロフィル、ミネラル、カロチノイド、ビタミンCなど
作用;利尿、浄血、尿酸排泄、増血、抗アレルギー、強壮など
適応;関節炎、リウマチ、痛風、花粉症、貧血、前立腺肥大など

ハーブのおはなし(9)

効き目のシャープな合成薬が次々と現れた近代、それでもなおハーブを用いたフィトテラピーや生薬を用いた東洋医学による治療が続けられ、今日に至っては代替医療、予防医学などの観点から再び注目を集め、様々な研究も行われています。ハーブや生薬は主に植物を原料とした多成分からなる複合体です。そのため、様々な作用を有していることが特長です。
感染症に生死を左右されていた時代を乗り越え、現代ではストレスや生活習慣、アレルギー、加齢といった要因が複雑に絡み合う疾患が中心となりました。このような疾患の治療にはハーブや生薬の多様な作用に期待が持たれ、そのことが再び注目されている要因かもしれません。

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