2019/2/4

日本・世界の植物園訪問記(8)

高知県立牧野植物園
高知県高知市

※本記事の内容は2008年に作成し、2019年に一部改訂したものです。
 最新の情報は各植物園の公式ホームページ等をご確認ください。

高知県立牧野植物園は、高知県出身で「植物分類学の父」と名高い植物学者・牧野富太郎博士(1862~1957)の業績を顕彰する施設として、1958年に高知市五台山に開園しました。1999年11月には「牧野富太郎記念館」が開館し、敷地面積を約20haに拡張してリニューアルされました。園内には高知県の植物を中心に、博士ゆかりの植物など約3,000種が集められています。
園内は大きく「北園」と「南園」に分かれており、北園には展示館、南園には資源植物研究センターや温室が備えられています。

牧野富太郎記念館

南園の芝生広場にある博士の像
南園の芝生広場にある博士の像

「牧野富太郎記念館」は、本館と展示館の2つの建物からなり、本館には植物標本庫や実験室などの植物学の研究施設、植物関係の書籍を収めた図書室、博士の蔵書・直筆原稿・植物画など58,000点を収蔵した牧野文庫があります。その他に映像ホールでは博士や植物に関するビデオを見ることができます。展示館には博士の生涯をまとめた常設展示室や植物画ギャラリー、年数回テーマを変えて展示する企画展示室があります。

夏を彩るユリの花々
左上から順にノカンゾウ・カノコユリ(タキユリ)・イズユリ※・コオニユリ
夏を彩るユリの花々
左上から順にノカンゾウ・カノコユリ(タキユリ)・イズユリ※・コオニユリ
シナノアキギリ:長野県の一部地区に産する稀な植物で、博士が命名者
シナノアキギリ:長野県の一部地区に産する稀な植物で、博士が命名者

※ 伊豆地方で発見されたササユリとヤマユリの自然交雑と見られる変異ユリの一群をイズユリと呼びます。



シロバナクズ:白い花のクズは記念館本館付近で見られる
シロバナクズ:白い花のクズは記念館本館付近で見られる

植物に興味のある方なら「牧野日本植物図鑑」の名前を一度は聞いたことがあるのでは?書籍名が示す通り、1940年に出版された博士の著作です。現在では口語文に改められており、時代に合わせた改訂増補が行われ、版を重ねています。

植物園では、植物の鉛筆画教室、解説員による観察会など、実際に園内を歩いて季節の植物と触れ合える催しが毎月行われています。また、2008年には東洋の園芸植物が観賞できる「50周年記念庭園」が新設され、2010年には温室がリニューアルされました。2019年の春には新園地のリニューアルオープンも予定されており、さらなる発展を続けています。
是非、この機会に少し足を延ばして植物と親しんでみませんか?

DATA


交通 交通 タクシー:JR高知駅から約20分、高知空港から約30分
バス:JR高知駅からMY遊バス(市内観光スポット周遊バス。2019年3月31日までは毎日運行、協賛施設等の割引特典付一日乗車券:大人1000円)で約30分、牧野植物園正門前下車
MY遊バスについての詳細はMY遊バスホームページへ
開園時間 午前9時~午後5時
休園日 年末年始(12月27日~1月1日)
入園料 一般:720円(高校生以下無料) 年間入園券2,880円

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