2018/9/3

ハーブティー(7)

~夏カゼのために~

今年の夏は猛暑が続きました。熱中症の予防に適切な水分摂取や冷房の使用は重要です。しかし、冷たいものの飲み過ぎや、冷房が原因で夏カゼをひいてしまったら、温かいハーブティーで水分代謝を整えてケアしましょう!



夏カゼ対策ブレンド

Blend Recipe (1人分)

カミツレ 2つまみ
ローズヒップ 1つまみ
ヤロウ 1つまみ

ハーブティーのいれかた

1.あらかじめ熱湯で温めておいたポットにハーブを入れ、1人分につき1カップの熱湯を注ぎます。
2. ハーブの揮発成分を逃さないためにすぐふたをして、3~5 分間置きます。時間の目安は、柔らかい花や葉のみの場合は3分ほど、堅い実や根などを含む場合は、5分くらいです。このブレンドはローズヒップを含むので5分くらい置きましょう。
3. 茶こしでこしてカップに注ぎます。

味が薄く感じられる方は、小さめの鍋に沸騰したお湯1人あたり1カップ強の量とハーブを入れて、2~3分間煮出してください。

夏カゼ

カゼをひいたら、まずは暖かくして汗をかくと良いことは、よく知られていますが、暑さに参ってしまう夏には、そのことが忘れられがちです。冷たいものを摂りすぎたり、冷房の効いた部屋で養生してしまったり…
でもやはり、夏においても熱が出はじめるカゼの初期には、脱水症状に注意しながら、体を温めることが大切です。温かいものを摂ることも養生のポイントです。
今回のハーブティーは水分とビタミンCを補給しながら、体を温めて発汗と利尿を促すブレンドです。漢方の考え方では発汗解表(発表)薬にあたり、発汗させて、体の表面にある邪(じゃ:体に有害で病気の原因となるもの)を排除する働きがあります。
また、冷たいものの摂りすぎや冷房などで、水分の吸収や循環が上手くできずに汗が出ず、尿量も減少した結果、むくみや水様の下痢といった症状を起こすことがあります。このような場合には、カッ香正気散や五苓散などの漢方薬が良く効きます。職場の冷房などでどうしても体を冷やしてしまう方も多いようです。夏でも体を冷やしてしまったかなと感じたら、まずはハーブティーなどで体を温めて水分代謝を整えることを心がけてみましょう。

ハーブの特徴

ジャーマンカモミール German Chamomile

別名;マンサニーア
基原;Matricaria chamomilla カミツレ(キク科)
用部;花
成分;アズレン誘導体,ビサボロール誘導体などの精油,ルチン,クエルシメリトリンなどのフラボノイド,吉草酸,青酸配糖体,サリチル酸誘導体,コリン,タンニンなど
作用;消炎,鎮痛,鎮静,鎮痙,発汗,保温
適応;ストレスによる神経性胃腸障害,月経前緊張症,不眠,カゼ,インフルエンザに伴う寒気や頭痛
相性の良いハーブ;スイートフェンネルなど

ローズヒップ Rose Hip

別名;ドッグローズ
基原;Rosa canina イヌバラ(バラ科)
用部;果実
成分;フラボノイド、リコピン、ビタミンC、ペクチン、果実酸など
作用;緩下、利尿、ビタミンC補給、強壮など
適応;便秘、体力低下、ストレス、妊産婦の栄養不足や体力低下など

ヤロウ Yarrow

別名;セイヨウノコギリソウ、ミルフォイユ
基原;Achillea millefolium セイヨウノコギリソウ(キク科)
用部;地上部
成分;プロアズレン類、ピネン、カリオフィレンなどの精油、フラボノイド、タンニン、苦味アルカロイドなど
作用;発汗、血圧降下、収れん、利尿、抗菌など
適応;胃腸障害、冷え症、発熱、膀胱炎、外傷(外用)など

ハーブのおはなし(7)

薬草やハーブは、煎じたり抽出したりして利用されるだけでなく、そのまま料理やデザートにも使われます。最近では薬膳やハーブ料理なども広く親しまれるようになってきましたが、香辛料や薬味といった身近な使われ方も見逃せません。なにげなく添えられるものにも理にかなった役目があり、感心させられたりします。よく知られているところでは、刺身の“つま”には生臭味を和らげる香りの良いもの、消化促進や抗菌、防腐作用のあるものが選ばれています。例えば、シソの穂、キクの花、赤タデの若芽などがあり、色彩も良くお料理を目で楽しむのにも一役かっています。食べてみると香りがあって美味しく、薬草としての効用も利用できるので、是非刺身に添えて召し上がってみてください。西洋ハーブの中で“つま”を探してみると、カルパッチョなどの上に美しく散らしてあるデイルウィード(デイルの葉)が思い浮かびます。デイルはセリ科のフェンネル(ウイキョウ)に似た植物で、やはりさわやかな香味と消化促進作用があります。

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